日本基督教団新生釜石教会は、岩手県釜石市にあるプロテスタントのキリスト教会です。
東日本大震災、更に津波により教会堂一階天井部分まで海水に浸かりました。その後、多くの方々のご支援を頂き、今日まで主日礼拝を継続することが出来ています。
2014年4月には、ほぼ元通りの形に修復されました。
今後とも新生釜石教会の歩みを見守っていただけるようにお願いいたします。
教会員一同
牧師 柳谷雄介
主日礼拝
日曜日 10時15分から
子どもメッセージもありますので、お子様連れの方もお気軽にご参加ください。
聖書研究祈祷会
水曜日 10時30分から
住所
026-0024
岩手県釜石市大町3-2-18
電話番号
080-6003-9147(牧師携帯電話)
FAX
0196-22-4556
メール
shinsei.kamaishi@gmail.com
USKより愛をこめて
『心に納め、思い巡らす』
19 マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。 20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。
ルカによる福音書2章19~20
ハレルヤ!シャローム!メリー・クリスマス!
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
みなさまにとって、2021年はどのような1年だったでしょうか。1年を振り返って、どのようなことを印象的に覚えているでしょうか。私は、人生初、ミュージカルに挑戦しました。市民ミュージカル『人生はガタゴト列車に乗って』で主人公の息子井上ひさしを演じる機会をいただきました。半年の練習を重ねて、10月31日にステージの上で歌って踊りました!(左上写真)
パラリンピック実施という人類史上経験したことのない年となりました。異常気象+災害多発の時代。少子高齢化社会。これからの時代はどうなっていくのでしょうか。前代未聞という言葉があふれかえっている時代です。
私たちを取り巻くこの状況はVUCAと呼ばれます。Vヴォラタリティ(変動性)・Uアンサーテンティー(不確実性)・Cコンプレキシティ(複雑性)・Aアンビギュイティ(曖昧性)の頭文字です。 これら四つの要因により、現在の社会環境が極めて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表します。一つだけ確かなこと、それは自分の知識はおろか、これまでの知識では判断がつかないということです。さあ、どうしたものでしょうか、と途方に暮れるようですが、ありがたいことに聖書の中にはこんな時代を生きるヒントがあります。
イエスを産んだときのマリアのことを考えてみましょう。予想外の妊娠、若くして神の子の母となる現実、ふるさとナザレを離れて、家畜小屋での出産、羊飼い・博士たちの突然の訪問。エジプト逃避行。これらのことが、若干14歳ほど娘さんに次から次へと降りかかったのです。生まれた子どもと自分たちはこれからどうなっていくのか、気に病む材料には事欠きませんでした。
ところが、「マリアは、これらのをすべてにめて、いらしていた。(2章19)」「母はこれらの事をすべて心に納めていた。(2章51)」と書かれています。
「心に納めた」は英語聖書ではtreasured upと訳されています。Treasure(トレジャー)は宝物ですから、「宝物として保管する」という意味になります。マリアは、経験したことのない驚くような出来事を宝物として、心の中に大切に保管しておきました。イエスの死後(実に30年後!)、その意味がわかって仲間の弟子たちと話をしました。
「思い巡らしていた」「思い煩う」と「思い巡らす」は、どちらも絶えず思い起こすことですが、全く逆の結果になります。「思い煩う」は、物事の一面しか見られなくなって心配すること。「思い巡らす」は、様々な角度から眺めて、様々な可能性を認めることです。「思い煩う」が、心配するという結論から離れられないのに対して、「思い巡らす」は、結論を保留できます。「思い巡らす」は、牛や羊が餌をすることにも似ています(ちなみに、我が家で飼っているウサギは糞を食べることで栄養摂取を高めます)。
思い巡らすことは、の言う「ネガティブ・ケイパビリティ」=「すぐに結果がわからないことに耐える」につながります。
このメッセージは皆さんへの質問で締めくくりたいと思います。思い煩いの人生から、思い巡らす信仰へと変わっていくためには、何が必要だと思いますか?VUCAの世界で、奪い去られることのない平和を築くために、今から何をしようと思いますか?
(新生釜石教会だより2021年クリスマス号~「福音メッセージ」より抜粋)